自己破産には、個人が手続きするものと、会社(法人)で手続きするものとがあり、それぞれの手続の進め方を簡単にまとめると、以下のようになります。
[table sort=”desc,asc”] 手続きの流れ,個人(同時廃止),個人(管財事件)
申立裁判所,地方裁判所,地方裁判所
ステップ1,同時廃止(財産無し),少額管財もしくは管財事件
ステップ2,同時廃止決定,管財人と面接
ステップ3,免責審尋,債権者集会
ステップ4,免責許可決定,債権確定&配当
,,破産手続き終結決定
,,免責審尋
,,免責許可決定
[/table]
ちなみに、会社(法人)が自己破産する際の流れですが、
[table sort=”desc,asc”] 手続きの流れ,会社(法人)
ステップ1,会社の財産を保全
ステップ2,申し立て書類の準備
ステップ3,破産申立
ステップ4,破産開始決定、破産管財人の選任
ステップ5,破産管財人の管財業務進行
ステップ6,債権者集会
ステップ7,債権者へ配当
ステップ8,破産手続き集結、廃止決定
[/table]
上記の通り、個人も会社(法人)も、流れに大きな違いがありません。
ここまで、簡潔に自己破産の流れを確認したところで、この先は実際に自己破産をされた方の体験談を紹介しながら、自己破産の流れをチェックしていきます。
自己破産の原因、そして手続から完了までの道のり
あれは27歳の時でした。まだ世間を知らず、親の会社の連帯保証人になりました。
もちろん大手の銀行ですので、法外な金利ではありませんでした。親の経営する小さな会社で働き始めた私は、会社の置かれた状況を知らずに休みなく働きました。
時代もまだよかったようで、まあまあの仕事を顧客からいただいていました。
ところが、あるときから給料の未払い、税金や家賃、下請けさんへの支払いの滞納に気が付きました。それなりに利益は出ていたのですが、あちこちからの借金返済などに充てられていたのです。
一体、いくらくらいの借金かも想像できませんでした。あとでわかったことですが、およそ1億円近くの借金があったようです。
35歳までは懸命に返し続け、約2500万円くらいになりましたが、その後はどんどん仕事が減り、親は人ごとのように何もしませんでした。
家を売るとか、会社は倒産や解散しようと何度も言いましたが、聞く耳を持ちませんでした。
数か月話し続けても、まったく同じことの繰り返しでした。あまりにばかばかしくなった私は会社を辞め、家からも出ていきました。
何とか食いつないで38歳の時に、現在の妻と結婚しました。
まだ連帯保証人の分が2000万円ほど残っておりましたが、それから約10年くらい債権者(主に大手銀行など)から何度か連絡がありました。
その度に返済方法の相談をしたいと言ったのですが、なぜか彼らは相談に乗りますというものの、連絡をくれません。3年に1度くらい担当が変わりましたと言ってくるだけです。
多少なりとも余裕があった時期もありましたが、返しようがないような状況でした。
そして47歳の時に、左手を複雑骨折してしまいました。
およそ3ヶ月ほどは仕事にならず、もんもんとした日々を送っていて、当然、お金に困り、初めてカードローンに手を出してしまいました。
それからはカードが少しずつ増えていき、金額も増すばかりでした。気が付けば200万円以上となり、急激にやる気もなくなっていきました。
何となく状況を伝えていた妻に、自己破産を考えていると言いました。
妻は「結論を出したなら仕方がない」と言ってくれましたので、ちょっとホッとしたところもあるのですが、それからは、テレビやラジオなどで過払い金などのコマーシャルを聞き、二人の弁護士に相談しました。
そのうちの一人に相談の上、自己破産手続きをお願いしました。
そこから約3ヶ月、大手企業に勤める妻と何度も弁護士と会いましたが、妻の財産や給料、家計のことなどかなり細かく書類が必要でした。
手続開始から半年と少しで免責が確定したのですが、長いようで短い半年でしたが、弁護士と妻には大変感謝しています。
これから、また職を探さなくてはなりませんが、借金がなくなったことで、いくらか落ち着きを取り戻せています。
自己破産の手続きをしてから、3ヶ月~6ヶ月程度は、時間を要しますし、同時廃止事件であれば金銭的にも、精神的にも負担が少ないです。
これで借金をチャラにし、前向きに日々を過ごせるというメリットを得られるのであれば、借金問題に悩まされている方は、大きなメリットを得られるのでは無いでしょうか。